牛が乳房炎になりました。
「昨日は元気も食欲も無く、熱も高い。アロマタッチと牛用のビタミン剤の中にミネラルを入れて飲ませました。朝晩のアロマタッチ。夜まだ熱がありますが、餌は食べ始めました!
朝どうなっているのか心配で牛舎に行くとすっきりしていて!触った感じも力がある。餌も全部食べてました!今日も朝晩のアロマタッチ(各4滴)とミネラル入りビタミンを飲ませてます。乳房炎も改善してきました!」
動画をとってほしいと再三お願いしてあったのでパパ(夫)が撮ってくれたのであろう動画がゆきちゃんから来ました。
見たら、泣けました。こんなに牛を愛おしんで育ててくれている酪農家がいるのだという事実。みんな、それぞれの現場で、人を愛おしみ、仕事を愛おしみ、今日を暮らしています。人の仕事、人の働く姿、人の思いって、なんて美しんだろうと、ただ、涙が出ます。
このままでは、我が家に未来はない
館山に嫁に来て、沢山涙を流し、舅を家族として看取り、心許せるまでに沢山の時間がかかった姑には、子供たちがアロマタッチをしてあげる日々がやってきたそうです。
細々と使い続けていたアロマテラピーが新しい時代に入ったことを知り改めて学びに来たあの日、新しいビジネスでの副収入の可能性を聴いて、こんなのはアタシには向いてないとドン引いたのはもう4年も前のこと。
実家から離れた地で、酪農の仕事に追われ、暮らしに追われ、本当は気づいていた事、このまま酪農の仕事だけでは、我が家に未来はない事。
一日中、365日、牛の世話に追われ休みも無い暮らし。もう一つの副収入の道が開いたなら、夫の体を休めてあげることも出来、将来を不安に思う事も無くなる。
数年ぶりに現れた彼女の表情は凛としていました。もう現実を、家族のせいにも、誰かのせいにもしない。大好きな家族をシアワセに導くのだという覚悟を感じました。
目に観えるその向こう側
朝の牛舎での仕事を終えると彼女は、オイルを学び使い方を伝える活動に向かいます。今までだったら絶対に考えられなかった、子供たちを置いての外泊での学びにも果敢にチャレンジしました。
華やかに見えるかもしれない彼女が、1日も欠かさずに行なっている牛舎での世話の大変さは、想像がつきます。音楽を牛に聞かせ、アロマタッチケアをする姿。その奥では牛たちの糞尿の世話にくれているはずです。
ある時は、明日セリに出す子牛とのお別れに、アロマタッチをして送り出したと、そっと聞かせてくれたことがありました。
薬をできるだけ使わずに育てた牛の乳や、食肉を食卓に届けたい。全部、自費で、思いと願いと夢だけで、誰の目にも止まらない所で行われている事です。
花、咲かせてあげたい。彼女たちの人生に、綺麗な花を咲かせてあげたい、そう願います。全国の仲間たちを訪ねるようになって、その地に暮らす仲間たちの暮らしぶり、悲しみ、喜びが感じられる様になりました。そして今、コロナ騒動で地元にとどまる事を選ばざるを得ない日々、地元の仲間たちも、今日一日を必死に暮らし、明日を夢見ています。
多くの仲間が、未来に希望を託しています。そしてその向こうに、彼女たちの家族の笑顔が観えます。