好きになっちゃった話

昨日は鴨川市西風原、農人舎さんにてアロマ塾。

参加くださった介護男子がこんなステキな話を聞かせてくれました。

その方は、92歳のおばあさん。目も少し見えにくくなってきています。
オムツ交換時の話。濡れてしまっていたので交換をさせて頂いていると、彼女からこんな言葉が。

「私はあなたを、最後の恋人にすると決めました…」
その言葉を聞いて僕は嬉しくて、涙が出そうになりました。
「ありがとうごさいます」と言って、立ち去ろうとした時、背中の肌着の下のほうが湿っている事に気づきました。

「ああ、気づかなくてゴメンナサイ。肌着も塗れているので、交換させて頂きますね。」そうお伝えすると、彼女はこうおっしゃいました。

「あら、どうしてぬれちゃったのかしら?

水分摂取量も多いので、紙オムツから背中まで尿がまわってしまっていた事は確かです。


その時、僕はとっさにこう答えました。


「あなたが嬉しいことを言ってくださったので、僕の涙でぬらしてしまいました。」


彼女は答えました。「そんなこと言ってくれたら、更に好きになっちゃうわよ…」


僕は介護の醍醐味を感じました。冗談を言ったり、笑いあったり、恋をしたり、こんな感情が生きる力になります。


その時に、小池さんか良く書いている、『魂の中に入ってゆく』という言葉がすっと現れました。


魂の中まで入り込んで、心と心が触れ合って、人生の最後にあなたと出会えて良かったと伝えあいたい。


これこそが、この仕事の醍醐味だと感じています。

介護とは、恋なんだ。恋をする事なんだ!


32歳の我が息子もそう言っていた。まさしく、これが私が目の当たりにした介護男子達の心情。



こんな介護男子達の話を、アロマ塾に場を提供してくれた、上野さん(74歳)が目の当たりにして、ぶっ飛んだ!


「小池さん、世の中にあんな男の子達がいるの?初めて見たよ!」


上野さん、これなんですよ、私が、介護職になって、こんな男子達を山ほど目撃してきました!(クマか?)


彼らは優しい反面、もろくもあるんです。だから、これから高齢者になってゆく自分たちは、彼らを守り、もっともっと輝かせなければならない。


それが、自分たちの老いと看取りを守る事になるんです。


小池さんの言いたかった事がわかったよという顔をして、上野さんが青年に聞いた。


「じゃあさ、何で介護施設に親戚や昔の仲間を見舞うと、あの施設の年寄りたちは誰一人、口をきかずに、だまってうつむいているの?」


「何でだと思う?」私はこの青年の答えを待ってみた。

彼は即答した。


「それは、無視ですよ、施設の職員はみんなやるべき事に追われている。だから、そこに居るはずの年寄の存在は無視されるんですよ。その結果、お年寄りたちは、生きることを諦めようとしてしまう…」


「へぇー、あの人達は、認知症になって、しゃべれなくなって、じっとしてる訳ではないの?」

横から、もう一人の介護男子が、黙っていられなくなって口を挟んだ。

「認知症だとしたなら、黙ってなんか、じっとなんかしていられませんよ。それが本来の姿。それなのに、じっと坐って黙っている。それがおかしいとまずは感じなければ…」


「へぇ〜、じゃあ、俺なんか、その施設に入れられたらどうなっちゃうのかなぁ?」


「うちの施設に会いませんから、よそへ行って下さいと、追い出されちゃうんじゃないですか?」


「いや、いや、逆に薬でおとなしく座らさせられて居るんじゃないかな?」


「えー、それじゃあ地獄じゃない!」

「そうですよ、なぜ、今まで一生懸命生きてきて、人世の最後に、仕方ないなんて諦めるんですか?


もっと、怒らなきゃ!お年寄りは、もっと、もっと威張らなきゃ!若いもんの言いなりになんかなってちゃだめですよ!」


好きになったゃった話から、だいぶそれました。


これが、ホントのアロマで介護塾♪


優しい介護男子と、怖い介護オバハンの、これがホントのアロマで介護塾。

喝!入りまっせ。


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