アロマテラピーの科学的アプローチ

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素敵な書籍(著者/津田政廣・シュート・キンボル/監修・小平悦子)2,500円(税別)

と出会いました。この本の中から、一部抜粋して、
アロマテラピーの事をご紹介させていただきます。


エッセンシャルオイル(精油)とは?

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  • 精油は植物の油ほうに含まれる芳香成分を含む有機化合物です。
  • 「オイル/油」という字が付きますが、油脂とは全く別の物質から出来ています。
  • 水に溶けにくく、アルコール・油脂などに溶ける性質を持ちます。
  • 現在、約250〜300種類の精油が存在します。

精油の4つの物理的性質

Drop On The Oil

Drop On The Oil

  • 精油は植物油脂と同じように原料は植物ですが、サラダ油やオリーブ油のような植物油脂とは全く違う物質から構成されます。
  • 油という「字」が付くので、誤解されがちですがベタベタするものではなく、ほとんどの精油がサラサラした水の様な感触です。
  • 精油は100%天然物質であり、人工的に合成した物質を一切含まず、アルコール希釈などをしていない完全成分のものだけをさします。

植物が身を守る特殊な防護システム

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  • 一般に精油は植物の特殊な分泌腺で合成され、その地殻の油脂胞に蓄えられています。
  • 精油は植物にとって、多くの有用な作用を及ぼします。
  • その誘因効果により、鳥や昆虫に受粉や種子の運搬を託すのです。
  • 精油の苦味などの忌避効果によって、害虫やカビ(真菌)などの菌から植物を守ることもあります。
  • 他の植物の発芽や成長を抑える働きのある精油も有ります。
  • 精油が汗のように蒸散することにより、自ら冷却し太陽熱からその植物を守る役割もしています。

 


精油の各抗菌性作用

  • 細菌やウイルス、虫などに対する作用
  • 殺菌作用:バクテリアなどの細菌を殺す作用
  • 抗菌作用:細菌の増殖を抑える作用
  • 更新菌作用:真菌(カビ)の増殖を抑える作用
  • 抗ウイルス作用:ウイルスの増殖を抑える作用
  • 殺虫・虫よけ作用:虫を殺したり、除けたりする作用
  • ただし、薬事法の許可認可を受けていない精油を上記の効能を謳い販売・譲渡する行為は薬事法に違反します。

人間の皮膚の働き

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  • 水やお湯でサッと流すだけでは、細菌やウイルスは落とせません。
  • 石鹸を使い荒れた皮膚は、細菌が大変繁殖しやすいことがわかっています。
  • 細菌やウイルスの殆どは、消化管の”円柱上皮細胞”から体内へ侵入してきます。

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  • 皮膚は表面が角質という堅い層ででき侵入しにくく、多くの場合は円柱上皮細胞から侵入してきます。
  • 円形上皮細胞の表面は粘膜で被われ、粘液は円柱上皮細胞に付着する異物を洗い流しています。特に重要なのは粘液中に分泌される分泌型IgA抗体です。この分泌抗体は、侵入しようとする細菌ウイルスに結合し、体内への侵入を阻止します。これらの一連の働きを粘膜免疫といいます。
  • 精油は分子構造が微小なので、皮膚バリアを通過し組織に浸透しますが、細菌やウイルスは表皮のバリア機能にさえぎられて、正常皮膚から組織に侵入することは、出来ません

メディカルグレードとは?

  • 遺伝子組み換えの無い作物、農薬を使った事の無い大地、野生、もしくは伝統栽培、有機農栽培で、汚れのない清流水を用い微量天然成分の含有率が高く、薬理効果を得られるエッセンシャルオイル・精油をメディカルグレードといいます。
  • 主に、水蒸気蒸留法で抽出されたものが、この品質に匹敵します。
  • また、低温・低圧の圧搾法で抽出した精油を指します。
  • 「メディカルグレードの精油1滴は、アロマセラピーグレードの精油100滴に値する」と言われています。
  • メディカルグレードの精油だけが、種類により経口摂取、原液塗布が可能です
  • メディカルグレードを英語でtherapeutic gradeと呼びます。
  • オーストラリア保険証薬品・医薬品行政局では、治療効果のある医薬品やサプリメントの安全性や品質の管理を行っています。
  • 英語ではTGA(Therapeutic Goods Administrations)と呼ばれています。

アロマセラピー/精油の3つの経路

民間療法の一つであるアロマセラピーはいろいろな方法が見られます。

其の方法としては精油の塗布、経口投与、吸入、嗅覚刺激があります。

そして、精油が体内へ入りどのように中枢神経系に作用するかは、3つの経路が考えられています。

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1皮膚からの経路(塗布)

  • 皮膚を通過して血液に溶け込む経路です。
  • 皮膚に精油を塗ったときは、毛細血管から血液中へ、あるいはリンパ管を経てから血液の流れに入る経路です。
  • 皮膚から体内へ肺からのルートと同じく精油が血流に入り体内中に運ばれます。
  • 精油の分子構造は皮膚を通過するのに十分小さく、また親油性であるため、皮膚の保護膜を作る皮脂に溶けて吸収されやすいのです。
  • 皮膚から吸収された精油分は体液の流れに乗って身体の各部に働きかけます。

2摂取からの経路(経口投与)

  • 摂取という方法です。胃や腸から吸収され血液に溶け込む経路です。(水やジュースに滴下して)、経口投与の場合、胃や腸などの粘膜から吸収され血液に溶け込み、全身へ行き渡ります。
  • この方法は食品として摂取認可されている精油を水やジュースに滴下して摂取する事です。カプセルを用いるのもこれに当たります。
  • メディカルグレードの精油でない限り、また許認可のない精油は、絶対飲むべきではありません

3・鼻腔からの経路(吸入)

  • 気化したものが吸入され肺で血液に溶け込む経路です。
  • 鼻から吸い込まれた分子(化学物質)は、咽頭、咽喉、気管、気管支、そして肺胞へと入ってゆくのです。
  • ここでガス交換を受け血液の流れに取り込まれ、全身へ循環します。

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  • 多くの精油や香り成分は脂溶性であるため、容易に血液脳関門を通過し、脳内に取り込まれて、中枢神経に作用すると考えられます
  • ほとんどのサプリは、血液脳関門を通過しません。
  • 吸入には、ハンカチやティシュ、洗面器、ディフューザーによる芳香浴やアロマバスも含まれます。
  • 肺から血中へ精油の成分は呼吸によって肺へと入ります。
  • 呼吸という形で、精油成分が肺の中に吸収され、ガス交換場所の肺胞の周りを取り巻く、毛細血管の中に吸収され、血流にのっていきます
  • 肺の中の肺胞では、血液に酸素が送り込まれ、老廃物が排出されるガス交換が行われています。
  • 血液に乗って体中に運ばれる成分は、身体に様々に働きかけます。

精油を使用する意義と注意事項

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  • 精油をご利用する本来の目的は、自己治癒力を呼び戻し覚醒することに有ります。
  • すなわち、その人が本来持っているはずの自己治癒力を引き出すのです。
  • アロマテラピーは医学として用いるには、現在エビデンスが不十分であり、医療の場で採用するには満たされていない条件が多くあります
  • 日本では精油の医学的利用の研究者は少ないですが、臨床研究は徐々に増えてきています。
  • 精油は医薬品ではありません。精油を使用される場合は、製品についての注意事項を読み、自己責任の下でご利用下さい。
    (イメージ画像はネットよりお借りしました)

 


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