暴力おばさんのふくふく訪問物語①

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( 介護ライター・野田明宏氏・撮影)

まずは、ふくふくの会の2つの事業所の見学に伺いました。

小規模多機能と高齢者住宅が合体した、立派な広い素敵な施設。
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広くて長い廊下を歩き、まさかその閉じている扉の向こうに、
お年寄りたちが寝ているとは、夢にも思っていませんでした。

こんな静かな中で、息を凝らして年寄りたちが暮らしているとは…

そして、もう一つは、旧保育園をリフォームしたという、
経営者の思いがイッパイ詰まった温かい施設。

皆さんでテーブルを囲んで、座っていました。

「今日のお昼のオカズは何ですか?」

そう問いかけても、だれ一人答えることが出来ません。

これオカシイと思いました。

年寄りたちは、食べることが楽しみ。

もうすぐお昼なのに、お昼のオカズの話も、
姿さえも感じられません。

お一人、男性のかたがそっぽを向いて座っていました。

話しかけると、ダジャレ満載の面白いおじいさん。

楽しすぎて、話は尽きません。

後でスタッフに聞いてみました。

「なぜ、あの方はそっぽを向いて座らされていたのですか?」と…

答えはこうでした。

ボス的なおばぁさんがいて、その人と衝突するので、
あのおじいさんにはみなと離れた所に、
会話に交じることの無い所に座っていただいているのだと。

私は、「ばっかじゃないの!」と、失礼な言葉を投げかけました。

そのおじいさんが、この事業所に光を照らすキーだよ。

喧嘩すればいいんだよ、言い争えば…

喧嘩したり、悪口を言い合ったり、仲間はずれにしたり、

笑ったり、泣いたり…

そううやって仲間になる。

そうやって、思い出を作って、老いて死んでゆくんだ。

その喧嘩仲間こそが、死を悼み、哀しんでくれるんだ。

そこからすでに、看取りは始まっているんだ。

施設を見せていただいている中、
私は一つの部屋に淋しそうに横になっている方を見つけました。

木箱を握りしめて、その方のベッド脇にひざまつきました。

「こんにちは、千葉県からやって来ました。
◯◯さんが、綺麗になるためのマッサージを
させていただいてもいいですか?」

そう問いかけると、縮んだ手足を震わせながら、
そのおばぁさんはこっくりと頷きました。

廊下の窓から覗きこむ看護師さんに既往歴を伺いながら、
アロマオイルを手に伸ばしました。

縮んだ手足は開き、股関節は緩み、足に暖かさが戻ってきました。

「パーキンソンだというこの方の手足は、
毎日動かし、緩めてさしあげているんですよね?」

その時にドテラのアロマオイルを一滴使うだけで、
効果が違ってくるからと伝えようとすると、

いえ、この方を動かす事はあえてしていませんとの答え。

「ばっかじゃないの〜!」
またまた、ひどい言葉をナースに投げかけました。

笑いました。
普段はそんなに笑わないというそのおばあさんが、
満面の笑顔で笑い、
私たちに質問に一生懸命に答えてくださいます。

生きてるんだよ〜!

年を取っても、病を持っても、
みんな、みんな、今日を生きてるんだ。

わからないから、文句を言わないから、

一日の殆どをベッドで過ごして頂いているという現実。

それは、あんたたちの”虐待”だよ。

暴力おばさんの、ふくふく訪問は、まだまだ続きます…(つづく)

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