ラベンダーでゆるむ拘縮

「小池さんが来るなら、会ってほしい人が居ます。」大阪府枚方市のデイサービス「ごきげん家」さんからのライン。

夫婦で立ち上げたデイサービスの当初からの利用者さんが、入退院を繰り返し、今はもう看取りの段階と言われ、在宅で暮らしているのだが、アロマのマッサージにうかがったり、なんとか最後までの時を応援する事が出来ないものかと思案しているので、一緒に訪ねてもらえませんか?と問いかけられ、一つ返事で神戸からの帰路、その方の自宅に伺った。

利用を始めた頃は、認知症状に苦しみ、真夏にも自宅から駅までの道のりを何往復も歩き続けたり、ご家族もご本人もここまで並大抵の苦労ではなかったはず。
それなのに、病の進行と繰り返す入退院の末に寝たきりとなり、四肢の拘縮が始まっていた。
内側に巻き込み、固まりかけた腕と手先。声をかけると、その方は少しビクッとして遠くを見つめた。

「こんにちは、春子さん。手をマッサージさせて頂いてもいいですか?」

初めてなので、この方が精油に対してどんな反応が出るかわからない。まずは私の手のひらにオレンジの精油を一滴たらし、春子さんの鼻先に近づけた。

「春子さん、なんの匂いかわかりますか?ミカンの匂いですよ。」そう話しかけて、唄った。「み〜かん〜のは〜なが、さぁいて〜いる♪」

春子さんか、少し表情を緩めるのがわかった。それから、春子さんの握りしめた手先を取り、ラベンダーとココナッツオイルを染み込ませた私の指を滑り込ませた。

力強く握りしめた手。指一本分がやっと入るグーの手の中。唄いながら、さすりながら、すこしづつ緩めてゆく、肩、腕、そして、握りしめた手のひらがゆっくりと開いてゆく。

内側に拘縮し、力を抜く事の出来なかった腕が、体がゆるみ始め、春子さんの表情が柔らかいものになっていった。

一緒に行った人が、ただ話しかけながら撫でさするだけで、手を添えるだけで緩んでゆく、ラベンダーの力にあっけに取られた。

「春子さん、もう少し生きる事を決めたのなら、仲間の待つデイサービスへ行って、もういちど笑おう…」そう約束をして春子さんの家を後にした。

午後からは、大阪府枚方市の通所介護事業所「きらく会」さんにお邪魔してきました。

介護保険制度ができる前から、親を看取った後に。誰もが利用できる居場所を作りたいと、ナースの平田さんが立ち上げたデイサービス。
小池さんが来てくれるなら、要介護五のほとんど寝たきりの方たちに、何か今日一日が少しでも良かったと思っていただけるようなアロマを使った手当方法をアドバイスしてもらえませんか?との依頼だった。
この人は難しいから。この人は変化に弱いから…そう囁いて下さるまだとてもお元気な方たちが、最初は怪訝そうに見つめていた精油でのハンドマッサージをうけると、表情に優しさと、目の輝きがもどっていった。

最後に、五年前からパーキンソンを発症し、ここ一年でガクッと動けなくなるなってしまった男性のケアをしてみて欲しいと依頼された。
その方も初めてなので、メディカルのラベンダー1本で手当をさせて頂いた。

僅かニ滴。握りしめた、力を緩める事の出来なかった元ラガーマンの腕先が、緩み、開き、脱力するまでには、五分もかからなかった。
両手、両足。そして、仰向けになったままの首に、耳たぶにラベンダーオイルを染み込ませていただくと、彼の表情が和らぎ、肩の力が抜けた。

体の向きを変えて、脊柱を中心に、背中にも塗って頂けますか?経営者の平田さんにお願いをした。

彼を横向きに体位交換しようとして、平田さんが驚いた。「え?こんなに簡単に横向きに出来たのは、はじめて。それも、支えるクッションを入れ無くても、横を向く事ができてる!」

私は、自分の、施設ではそれが当たり前だったので、これが凄いことなんだと言う事を知らなかった。彼の背中は鉄板のように硬直し、今までは体位交換しても、緩む事はなく、自力で側臥位を支える事が出来なかったのだという。

「それって、急にレベルが下がったのも、もしかして処方の影響はないのですか?」と問いかけると「お薬は微量調整しなければならないものだと思うから、そのさじ加減の影響が無いとは言えないけど、そこは私達の踏み込める分野では無いので…」
確かに、残念ですけど、そのとおりです。
それでも、メディカルグレードのラベンダーが、沢山の人の体を緩める出動命令を待っている事は事実です。
伝えるのか、伝えないのか、それもあなた次第です。
★大阪府狭山市で、認知症介護に熱い情熱をもつ介護事業所や、ケアマネ、ヘルブマンとの出会いを待っている方がいらっしゃいます。
認知性を発症し、精神病院で薬漬けになっているお父様を救い出したいと願って入る娘さんです。
どなたか、近隣の相談に乗って頂ける、心熱い方をご存知ないでしょうか?メッセージをお待ちしております。

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